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2014.5.16
おはようございます。
司法書士の立石です。
今日も**相続手続きシリーズ**第18弾
『遺言では必ず遺言執行者を!』決めておいて下さいというテーマです。
遺言執行者とは、遺言者が書いた遺言の内容を実際に実行する人で、
法律上「遺言執行者は、相続人の代理人とみな」されています(民1015)。
例えば、遺言書に書いてあるとおりに、銀行に行って預貯金を引き出して分配するとか・・・・
この遺言執行者は、遺言者が遺言で定めておくことができるほか、
定められていないときには家庭裁判所で選任してもらうことができます(民1006・1010)。
司法書士として、遺言を書かれる際には必ず遺言執行者の選任をお勧めするのですが、
「よく分からない」、「結局、遺言執行者はどうなるの?」
と疑問に思われる方も多いと思います。
遺言執行者を決めておくことによる効果を、具体的にいくつかご紹介させていただきます。
今日はそのうちのひとつ☆
遺言で、私が不動産Xをもらえることになっていたのに、
遺言者の死亡後、相続人が勝手に不動産Xを第三者Aに売っていて、
なんと不動産Xの名義は、既にAになっていたというケースです。
この事案ですが、遺言執行者が決められていたか否かで結果がまったく違います。
≪遺言執行者がない場合≫
不動産を取得するのはAになります。
先に登記(名義変更)をしていた方が不動産を取得したことを主張できるからです。
(最判昭和39.3.6民集18.3.437)
結果、私は、損害賠償を請求できる可能性はありますが、不動産の取得はできません。
≪遺言執行者が決まっていた場合≫
不動産を取得するのは私になります。
遺言執行者が定められていた場合、相続人が勝手にAに売っていたという行為が無効になります。
(最判昭和62.4.23民集41.3.474)
なぜなら、法律で、「遺言執行者がある場合には、相続人は、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることができない。」と決められているからです(民1013)。
私がまだ登記をしていなかったとしても、Aの取得は無効だから不動産Xは私のものと主張することができるのです。
いかがでしょうか?
せっかく遺言書をかかれるのであれば、遺言執行者の定めは必ず入れておきましょう☆
司法書士 立石和希子