相続不動産を放置するメリットは何一つありません。
これは自信をもって言い切れます。
相続不動産を放置するデメリットとしては、以下の事項が挙げられます。
[相続不動産を放置するデメリットの一例]
1.相続をきっかけに空き家状態になり、それなりの管理責任を負うことになります。
2.今後、所有している間、固定資産税・管理費の支払い義務が生じます。(例外あり)
3.相続関係や共有関係が複雑になり、売りたくても売れない、貸したくても貸せない、という事態に陥る。
4.相続登記の義務化に伴い、場合によっては罰則がある。
これらのデメリットについて、詳細にご説明いたします。
1.空き家の管理責任について
空き家の所有者等は、「管理責任」を負います。
[空家特措法第3条]
空家等の所有者又は管理者(以下「所有者等」という。)は、周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう、空家等の適切な管理に努めるものとする。
[建築基準法第8条]
建築物の所有者、管理者又は占有者は、その建物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するように努めなければならない。
2.固定資産税の支払い義務・負担増について
不動産には、原則、毎年、固定資産税・都市計画税が課されます。
そして、自治体から、空き家対策特別措置法の「特定空家等」と判断されてしまうと、罰則が適用されることがあります。
また、一定の場合、固定資産税が6倍に跳ね上がることがあります。
[特定空家等]
(1)倒壊など著しく保安上危険となるおそれがある状態
(2)アスベストの飛散やごみによる異臭の発生など、著しく衛生上有害となるおそれがある状態
(3)適切な管理がされていないことで著しく景観を損なっている状態
(4)その他、立木の枝の越境や棲みついた動物のふん尿などの影響によって、周辺の生活環境を乱している状態
3.相続関係や共有関係が複雑化する問題について
相続が発生し、相続登記をせずに放置している間に、さらに相続が発生すると、相続人がどんどん増え、相続関係・共有関係が益々複雑になり、売却したくても売却できない状況に陥ってしまうことが少なくありません。
相続不動産を売却するためには、相続人「全員」で話し合いをし、相続手続きを行う必要があるためです。
4.罰則について
不動産登記法の改正により、相続や遺贈によって不動産を取得した相続人に対し、自己のために相続の開始があったことを知った日から3年以内に相続に登記の申請をすることが義務付けられ、正当な理由がないのに、その申請を怠ったときは、10万円以下の過料が科されることになりました。
※相続登記の義務化については、
こちらを参照ください。
このように、相続不動産を放置することは、百害あって一利なしです。
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