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任意後見制度の基本

2025.9.29

判断能力が低下する前に備える安心の仕組み

「法定後見」と「任意後見」の2つの制度

後見制度には大きく分けて「法定後見」と「任意後見」の2つがあります。

・法定後見:本人の判断能力が低下した後に、家庭裁判所が後見人を選任し、財産管理や生活支援を行う制度。
・任意後見:本人がまだ元気なうちに「この人に財産や生活管理を託したい」と決めておき、将来判断能力が低下したときに効力が発生する制度。

どちらも大切な財産や生活を守る仕組みですが、「事前に自分で決めておくか」「事後に裁判所が決めるか」が大きな違いです。

もしもの時に備える、新しい選択肢

高齢化が進むいま、「認知症や脳卒中で判断能力が低下したらどうしよう」と不安に思う方は少なくありません。

そんな“もしもの時”に備える制度が「任意後見制度」です。

元気なうちに「この人に財産や生活の管理を任せたい」と決めておき、将来、判断能力が低下した時点で後見制度が発効する安心の仕組みです。

任意後見制度の仕組み

任意後見は“元気なうち”に「任意後見契約」を公正証書で結びます。

契約内容は本人の希望に基づき柔軟に決められ、たとえば次のような指定が可能です。

・財産管理
・医療・介護の手続き
・不動産の売却や賃貸

判断能力が低下し「後見制度」が必要になった段階で、家庭裁判所が後見監督人を選任。

そこではじめて「任意後見人」が正式に財産管理等の権限を持ち、本人の生活をしっかりと支えます。

任意後見のメリット

・希望通りに後見人を決められる(家族や専門家から選べる)
・契約内容を自分で設計できる(預金・不動産・医療など幅広く指示)
・元気なうちに備え、将来の不安を減らせる
・家庭裁判所の監督で不正やトラブル防止

任意後見は「裁判所が後見人を選任する法定後見」とは違い、前もって自分の意思で信頼できる人を選べるのが大きな安心です。

不動産オーナーこそ知ってほしい理由

特に不動産を持つ方の場合、「売却」「賃貸」「名義変更」など判断力が必要な手続が多く、認知症などで判断能力を失うと家族でも簡単に手続きできません。

成年後見制度を利用すると裁判所の許可や制限があり、思うように使えないことも。

任意後見なら、自分の希望に沿って「この不動産は○○のために使いたい」「売却して介護費用に充てたい」といった具体的な指示を残すことも可能です。

何より、事前に準備すれば家族の負担を軽くできます。

家族信託・遺言との違い

・家族信託:元気なうちから財産管理や処分を委託できる仕組み
・遺言:亡くなった後に財産の承継方法を指定できる仕組み
・任意後見:判断能力が低下したときに、生活や財産管理を委ねる仕組み

それぞれ役割が違うため、「組み合わせる」ことでより安心な対策になります。

entrustのサポート体制

司法書士法人entrust と代表の泉康生は、任意後見・家族信託・遺言の実務に精通しています。

・契約内容のヒアリング、設計、契約書作成
・不動産鑑定士・土地家屋調査士・税理士・弁護士との連携
・実際の財産管理・売却・名義変更までワンストップ対応
・ご家族との話し合い、監督人選任まで丁寧にサポート

大事なのは「元気なうちに準備すること」と「家族と納得して話し合うこと」です。

”今の安心”が”将来の安心”につながる

任意後見制度は、人生の後半戦に備える「家族への思いやり」です。

自分らしい生活を守り、不動産や資産をきちんと活かすためにも、早めの準備が大切です。

「うちの場合、どんな契約が必要?」と悩んだら、ぜひ司法書士法人entrust へお気軽にご相談ください。

代表の泉が、実務経験に基づいたわかりやすいご提案をいたします。

任意後見制度や家族信託などの認知症対策で迷われたら、司法書士法人entrustへご相談ください

カテゴリー:成年後見制度,終活,
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