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遺言・信託・後見の三本柱

遺言・信託・後見の三本柱

2025.10.1

相続・認知症対策を立体的に考える

「自分が亡くなった後、家族に財産をどう残そう」「認知症になったら管理はどうしたらいい?」

そんな不安を抱える不動産オーナーの方にとって、ポイントになるのが遺言・家族信託・後見制度の“3本柱”です。

それぞれ機能が違い、単独でも役立ちますが、組み合わせることで家族への安心が何倍にも広がります。

各制度の特徴をざっくり整理

【遺言】
・亡くなった時に財産の分け方を決めておくもの
・主に“死亡後の相続”を円滑にする役割

【家族信託】
・元気なうちから財産管理・運用方法、将来の使い方を家族と契約で決めておける
・特に認知症・判断能力低下対策に有効

【後見制度(任意・法定)】
・判断能力が衰えた時、任意後見監督人(任意後見の場合)又は家庭裁判所(法定後見の場合)の監督のもと本人を守る制度
・医療・介護、財産管理のサポートを広くカバーできる

3本柱を組み合わせると「隙間なし」の対策に

単独利用では「カバーできない領域」が出る場合もあります。

たとえば…

・遺言だけでは認知症対策にならない
・家族信託だけでは医療や身上監護まで対応できない
・後見制度だけでは細かな財産の活用や相続分配までは設計しづらい

そこで、組み合わせが有効です!

・生前対策(認知症・財産管理) → 家族信託・任意後見
・相続発生後(分配) → 遺言
・日常の医療・介護判断 → 後見制度

弊所では、実務でも「信託+遺言+後見の併用設計」を多くのご家族に提案しています。

entrustのチーム力で安心設計

司法書士法人entrustでは、不動産の専門知識を軸に、

・信託で不動産・資産を守る
・遺言で相続争いを防ぐ
・後見契約で生活・医療判断もカバー
・不動産鑑定士・土地家屋調査士・税理士・弁護士と専門家連携

という「全方位サポート体制」で、家族ごとの不安・課題にピッタリ合った最適プランを一緒に作ります。

「何をどう組み合わせればいいか分からない」「うちはどこまで備えれば安全?」

そんな悩みこそ、司法書士法人entrustにお任せください。

家族の未来を3つの柱でしっかり支える、『立体的な安心設計』をご提案します。

芦屋・西宮・神戸・大阪の不動産オーナーさまへ:

まずはお気軽に司法書士法人entrustへご相談ください。

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家族信託と遺言の使い分け

家族信託と遺言の使い分け

2025.9.28

“元気なうち”と“その後”をどう守る?

はじめに:芦屋・西宮・神戸・大阪の不動産オーナーへ

相続や認知症対策を考えるとき、「家族信託と遺言、どちらが自分たちに向いているのか」で迷う方が多くいらっしゃいます。

どちらも大切な財産を守り、想いを叶える仕組みですが、それぞれ得意な役割が異なります。

実は、うまく“組み合わせる”ことで、もっと安心できる仕組みが完成します。

家族信託が向いているケース

家族信託は「元気なうち」から財産管理や運用の方法を決めておきたい場合におすすめです。

・高齢の親御さんの不動産を、将来の認知症リスクに備えて子どもに任せたい
・賃貸マンションや収益物件など、日常的に意思決定が必要な資産を管理したい
・障がいを持つ子どもの生活を長期的に支えたい

つまり、「将来、判断能力が落ちても家族が主体的に動けるようにしたい」ご家庭にはピッタリの制度です。

遺言が力を発揮する場面

遺言は、「亡くなった後に誰に何を残すのか」を明確に決めるためのものです。

・自宅や預金などの分け方をきちんと指定したい
・家族同士の争いを避けるため、意思をしっかり残したい
・孫や義理の家族など、相続人以外に財産を託したい

「自分の死後に、想い通りに財産を分けてほしい」という希望には遺言が欠かせません。

よくある勘違いと注意点

「家族信託をすれば遺言はいらない」というのは誤解です。

家族信託は“信託した財産”に限られるため、預金や動産などは遺言で補う必要があります。

また、信託財産の「最終的な受取人」を決める際も、遺言で補強しておくと安心です。

不動産の登記や銀行手続きは、形式や内容を一歩でも間違えると進まないことがあります。

専門家による丁寧な設計をおすすめします。

entrustの実務で多い“使い分け”例

司法書士法人entrust の代表・泉康生は、芦屋・西宮・神戸・大阪エリアで数多くの家族信託・遺言の実務を手がけてきた専門家です。

実務では次のような「ハイブリッド型」をご提案することが多いです。

・親の自宅は家族信託で“柔軟に活用”
・預金や車、家財は遺言で“確実に分配”
・信託終了後の“最終受益者”や細かな希望は遺言で補強

こうすることで、「今も将来も困らない」「万が一の時も家族が戸惑わない」仕組みが整います。

家族ごとに“最適な組み合わせ”がある

家族信託と遺言は、どちらか一方ではなく「組み合わせる」ことで力を発揮します。

大切なのは、ご家族の状況や希望に合わせて、無理のない現実的なプランを作ること。

司法書士法人entrustと代表の泉は、豊富な経験と専門家ネットワークを活かし、「家族みんなが納得できるプラン」作りをお手伝いします。

まずは無料相談から(お気軽にどうぞ)
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カテゴリー:遺言,家族信託,

家族信託ってご存じですか?

家族信託ってご存じですか?

2025.9.26

認知症になっても不動産を守る新しい仕組み

家族信託とは?

「家族信託(民事信託)」とは、元気なうちに自分の財産を信頼できる家族に託し、その管理や運用、処分を任せられる仕組みです。

近年、相続や認知症対策の新しい選択肢として注目されており、特に不動産オーナーの方に大きなメリットがあります。

従来の「遺言」や「成年後見制度」だけではカバーしきれない部分を補えるため、将来の安心につながります。

なぜ認知症対策に強いの?

高齢化が進むなかで増えているのが「認知症で口座が使えなくなる」「不動産を売りたいのに処分できない」というお悩みです。

成年後見制度を利用する方法もありますが、裁判所の監督下で使途に制限があり、柔軟に動けないことも多いのが実情です。

そこで役立つのが「家族信託」。契約時にあらかじめ権限を託しておけるので、本人が認知症になってもスムーズに対応できます。

たとえば、

・親が施設に入ったら自宅を売却し、費用を生活資金に充てる
・賃貸物件を家族が継続して管理し、収益を生活費に回す

といった柔軟な設計が可能です。

遺言や後見制度との違い

・遺言:相続が発生した後に効力を発揮。生前の資産運用には使えない。
・後見制度:判断能力が落ちた時点でスタートするが、財産を「維持」することが中心。処分には制限が多い。
・家族信託:元気なうちから契約でき、管理も処分も柔軟に設計可能。

つまり、家族信託は遺言や後見制度を補う“第三の選択肢”といえます。

不動産オーナーにおすすめのケース

・自宅や収益不動産の活用:認知症になっても家族が売却や賃貸管理を継続できる
・空き家対策:将来使わない家を円滑に処分できる
・障がいのある子の生活保障:不動産を信託財産にしておけば、住まいと生活費を確保できる
・相続対策:誰にどの財産を引き継がせるかを事前に設計してスムーズに承継可能

家族信託の仕組みはシンプル

登場するのは3つの役割です。

・委託者:財産を託す人(親など)
・受託者:財産を託され管理する人(子など信頼できる家族)
・受益者:財産から利益を受ける人(通常は本人)

たとえば「父(委託者)が長男(受託者)に自宅を信託し、父自身(受益者)が住み続ける」ケース。

この場合、父が認知症になっても長男が売却や修繕を判断できます。

entrustがサポートする家族信託

司法書士法人entrust では、家族信託の設計から契約書作成、信託登記までを一括サポートしています。

不動産に強い司法書士として、次のような専門家ネットワークを活かしています。

・不動産鑑定士 → 正しい資産評価
・土地家屋調査士 → 権利関係や境界の整理
・税理士 → 相続税・贈与税の検討
・弁護士 → 契約内容のリーガルチェック
・生前整理業者 → 空き家や遺品整理の対応

「不動産をどう残すか・どう活かすか」まで見据えたご提案が可能です。

家族信託で“安心の仕組み”を整えましょう

家族信託は、認知症や将来の相続に備える新しい選択肢。特に不動産をお持ちの方にとって、家族に安心を残せる有効な方法です。

制度は柔軟で設計の幅が広いからこそ、専門家のサポートが欠かせません。

元気なうちに仕組みを整えておくことが、家族への最大の思いやりです。

司法書士法人entrust は、大阪・芦屋・西宮・神戸エリアで不動産に強い専門家チームとして、皆さまの未来設計をサポートしています。

どうぞお気軽にご相談ください。

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遺言執行者の選び方

遺言執行者の選び方

2025.9.25

遺言を“形だけ”で終わらせないために

遺言書を書くだけでは不十分?

「遺言は準備してあるから安心」と思っていませんか?

実は、遺言は“書くだけ”では十分ではありません。相続が始まると、
・ 不動産の名義変更(登記)
・銀行口座の解約・名義変更
・株式や預貯金の分配

といった、数多くの手続きが待っています。

この時に大きな役割を果たすのが「遺言執行者」です。

遺言執行者ってどんな人?

遺言執行者は、遺言の内容を実際に実現するための権限を持つ人です。

誰を選ぶかによって、遺言がスムーズに実行されるかどうかが大きく変わります。

遺言執行者がいることで得られる安心

・家族の負担を軽くする
・不動産登記がスムーズに進む
・トラブルの火種を防止できる

誰を遺言執行者に選ぶべき?

法律上は「相続人」でも「第三者」でも指定できますが、慎重な選択が必要です。

【家族を選ぶ場合】
信頼できる配偶者や子を指名することもありますが、権限が集中すると摩擦が生じる恐れがあります。

【専門家を選ぶ場合】
司法書士や弁護士などを指定すれば、中立性が保たれ、専門知識を活かしてスムーズに進められます。

特に不動産が絡む相続では、登記や評価調整が必要になるため、専門家を遺言執行者に選ぶメリットは大きいです。

entrustが選ばれる理由

司法書士法人entrust では、遺言執行者としての役割を積極的に担っています。

強みは「不動産に強い」ことと「幅広い専門家ネットワーク」です。

・不動産登記や売却をワンストップで支援
・不動産鑑定士と連携 → 公平な評価で安心
・税理士・弁護士と協業 → 税務や紛争防止もカバー
・土地家屋調査士と調整 → 境界トラブルを解消
・生前整理業者と協力 → 空き家や遺品整理にも対応

ただ「遺言を作る」だけでなく、実際に実現できる遺言をご提供するのが特徴です。

遺言執行者を選ぶときのチェックポイント

・信頼できるか(公平に任務を果たせるか)
・不動産や金融・登記に関する知識と経験があるか
・中立性を保てるか(専門家を選ぶケースが多い)
・ 必要に応じて「家族+専門家」の複数指定も可能

遺言執行者は“遺言を現実にするパートナー”

遺言執行者をきちんと指定しておくことは、遺言の実効力を高め、残された家族を困らせないための大切な準備です。

特に不動産をお持ちの方は、スムーズな登記や売却のためにも、司法書士のような専門家を遺言執行者に選ぶのが安心です。

元気なうちに「誰に実行を託すのか」まで考えておくこと。

それこそが、ご家族への最大の思いやりです。

司法書士法人entrust は、その想いを現実にするパートナーとして、全力でサポートいたします。

お気軽にご相談ください。

自筆証書遺言で迷う前に、専門家にご相談ください。


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カテゴリー:遺言,

遺言と遺産分割協議の違い

遺言と遺産分割協議の違い

2025.9.24

残された家族の負担をどう減らすか

遺言と遺産分割協議、どちらも相続を決める仕組み

相続が発生すると、故人の財産を誰がどのように承継するかを決める必要があります。

その方法は大きく分けて2つです。

・遺言による承継:故人が生前に残した意思に基づいて分け方を決める
・遺産分割協議による承継:相続人全員で話し合って決める

どちらの方法でも最終的に相続はできますが、手続きの流れや家族の負担には大きな違いがあります。

遺言がある場合の流れ

有効な遺言が残されていれば、原則その内容に従って相続が進みます。

特に公正証書遺言の場合は家庭裁判所での「検認」が不要で、すぐに相続登記や銀行手続に使えます。

・遺言執行者が指定されていれば、その者が中心となって手続きを進める
・相続人全員の押印が必要な「遺産分割協議書」を作らなくてよい
・故人の想いが尊重され、相続人同士の争いを防ぎやすい

結果として、スムーズでスピーディーに進むのが大きなメリットです。

遺産分割協議が必要になる場合

一方で、遺言がない場合は「法定相続分」を前提に相続人全員で話し合う必要があります。

これが遺産分割協議です。

・全員の同意がなければ成立しない
・意見が合わないと長期化し、不動産の登記や売却が進まない
・相続人が行方不明や認知症の場合は、家庭裁判所での特別な手続きが必要

特に不動産は分けにくい資産であるため、協議が難航しやすいのです。

不動産に強い影響を与える違い

典型的なケースで比較すると、両者の違いがはっきりします。

遺言がある場合:「自宅は妻に」「収益マンションは長男に」と記載されていれば、そのまま登記可能。売却や賃貸もスムーズ。

遺言がない場合:相続人全員の話し合いが必要。「住み続けたい人」と「売りたい人」で意見が対立し、不動産が“塩漬け”状態になることも。

つまり、不動産オーナーにとって遺言は、相続後すぐに資産を活かせるかどうかを左右する存在なのです。

「遺言+協議」で柔軟さを確保する方法も

すべてを細かく遺言で指定しなくても、大枠を遺言で決め、残りを協議に委ねる方法もあります。

・「自宅は妻に」と明記し、その他は協議に任せる
・代償金の具体額は協議で調整する

このように、最低限の争点を遺言で解決しておくことで、大きなトラブルを避けつつ柔軟さも保てます。

entrustなら「家族に優しい遺言」が実現できる

司法書士法人entrust では、単に遺言を作成するだけでなく、その後の不動産管理や売却・活用まで見据えた提案を行います。

・不動産鑑定士と連携 → 公平な評価を前提にした遺言作成
・土地家屋調査士と協力 → 境界や権利関係を事前に整理
・税理士や弁護士と協業 → 遺留分対策や税の調整までカバー

「家族に負担を残さない遺言」を実現するのが、私たちentrust の強みです。

遺言は家族を守る最大の予防策

遺産分割協議は、全員の合意があれば円満に進められます。

しかし実際には不動産を中心に意見が食い違い、長期化や紛争化につながるケースが少なくありません。

その点、遺言は故人の意思を明確に示し、家族の負担を大幅に減らす「最大の予防策」です。

不動産をお持ちの方は、ぜひ元気なうちに遺言を準備しておきましょう。

司法書士法人entrust では、不動産に強い総合的な相続支援を通じて、家族に安心を残すお手伝いをしています。

自筆証書遺言で迷う前に、専門家にご相談ください。


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カテゴリー:遺言,不動産登記,

不動産を含む遺言の書き方

不動産を含む遺言の書き方

2025.9.23

価値が高い資産だからこそ注意すべき点

不動産は相続トラブルの中心になりやすい

相続で最も揉めやすい財産の一つが「不動産」です。理由は明確で、

・分けにくい財産であること
・評価額が高く、相続税や遺産分割に直結すること
・相続人が複数いると「共有」となり、処分に全員の同意が必要になること

こうした事情から、「使いたい人」「売りたい人」「残したい人」で意見が食い違い、長期的な争いに発展しやすいのです。

だからこそ、不動産を所有する方にとって「遺言で意思を残すこと」が欠かせません。

不動産を遺言に書くときの基本ルール

1. 登記事項証明書と一致させて書く
 「芦屋市○○町の宅地」といった曖昧な表現はNGです。
 登記事項証明書に記載されている所在・地番・地目・地積/家屋番号・種類・構造・床面積を正確に書くことで、相続登記がスムーズになります。

2. 相続人や移転先を具体的に明記する
 「長男に土地を相続させる」「妻に自宅建物を相続させる」と、はっきり書きましょう。
 「子どもたちで話し合って分ける」では遺産分割協議が必要となり、遺言の効果が薄れてしまいます。

3. 代償分割の指示を検討する
 不動産は分けにくい財産です。特定の相続人が取得する代わりに、他の相続人には預貯金を渡す「代償分割」を遺言に明記しておくと、公平感が高まりトラブル防止につながります。

注意すべき特殊ケース

不動産には性質ごとに注意点があります。

・賃貸物件(収益不動産):管理や収益の分配方法を決めておかないとトラブルの火種に。
・共有名義の不動産:持分のみを相続させると、他の相続人との共有状態が続き、不便が残ることも。
・農地や山林:利用制限や許可制度が関わるため、売却や転用が難しくなるケースがあります。

こうした特殊ケースは、専門家に確認してから遺言内容に落とし込むのが安心です。

自筆証書より公正証書遺言を

不動産を含む遺言なら、公正証書遺言をおすすめします。

・専門家と公証人がチェックするので記載漏れ・誤りを防げる
・公証役場で原本を保管するため、紛失・改ざんの心配なし
・検認手続きが不要で、相続開始後すぐに登記可能

結果として、不動産の価値を守り、家族間の対立を最小限に抑えることができます。

entrustの提案力:不動産に強い司法書士がサポートする遺言作成

司法書士法人entrust では、不動産に関する専門ネットワークを活かし、次のような総合支援を行っています。

・不動産鑑定士と連携 → 正確な評価を踏まえた遺言内容
・土地家屋調査士と協力 → 境界や権利関係を事前に整理
・不動産会社・工務店と連携 → 将来的な売却や活用を視野に提案
・税理士・弁護士と協業 → 税負担や紛争防止策をトータルで調整

「不動産に強い司法書士」だからこそ、実効性ある遺言を提案できます。

価値ある不動産こそ、元気なうちに意思表示を

不動産は家族にとって生活基盤であり、資産形成の柱です。

しかし一歩間違えば、相続争いの火種となり、家族関係まで壊してしまう可能性があります。

だからこそ、元気なうちに「不動産の行き先」を明確にしておくことが大切です。

遺言は、家族への最大の贈り物。ぜひ司法書士法人entrust にご相談いただき、公正証書遺言で安心をカタチにしましょう。

自筆証書遺言で迷う前に、専門家にご相談ください。

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カテゴリー:遺言,不動産登記,

自筆証書遺言の落とし穴

自筆証書遺言の落とし穴

2025.9.22

家庭裁判所の検認で困らないために

自筆証書遺言ってなに?

自筆証書遺言とは、その名のとおり「自分の手で書く遺言」のことです。

費用もかからず、紙とペンさえあれば作れるので、「まずは自分で書いておこうかな」と思う方も少なくありません。

特に不動産をお持ちの方にとっては、「自宅は長男に」「収益マンションは妻に」など、思いをそのまま書ける手段として便利に見えるかもしれません。

でも、実はこの方法にはいくつもの落とし穴があるのです。

自筆証書遺言にありがちなトラブル

1. 書き方の不備で無効に…
 日付を書き忘れたり、印鑑を押し忘れたり、財産目録の書き方を間違えたり…。
 こうした小さなミスで遺言自体が無効になってしまうことがあります。

 特に不動産は、登記簿に書かれている情報と一致させないといけません。
 記載が不十分だと、かえって家族間の争いの原因になってしまうことも。

2. 家庭裁判所の「検認」が必須
 自筆証書遺言は、亡くなったあとすぐに使えるわけではありません。
 家庭裁判所で「検認」という確認の手続きが必要です。

 これには数週間から数か月かかることもあり、「すぐに家を売却したい」といった希望があっても、手続きが進められない場合があります。

3. 紛失や改ざんのリスク
 自宅の金庫や引き出しに保管していた遺言書がなくなったり、相続人の一部に隠されてしまうといったケースもあります。
 せっかく用意した遺言が「なかったこと」にされてしまうリスクもあります。

法務局の「遺言書保管制度」

こうしたリスクを減らすため、2020年に「自筆証書遺言書保管制度」が始まりました。

法務局に預けられるので、紛失や改ざんを防げるほか、検認も不要になります。

ただし注意点もあります。

文章の書き方や不動産の記載に不備があれば、「有効な遺言」とは認められません。

つまり、保管制度で安心できるのは形式面だけ。内容の適切さまでは保証されないのです。

不動産を持つ方には公正証書遺言がおすすめ

不動産をお持ちの方にとって、安心できる方法はやはり公正証書遺言です。

・公証人がチェックするので、法的不備がない
・公証役場が原本を保管するから紛失の心配なし
・検認不要で、すぐに相続登記や売却に使える
・専門家と一緒に作るので、不動産の分け方も安心

「自宅は妻に」「賃貸マンションは子どもたちに共有で」など、複雑な希望もきちんと反映できます。

遺言は「体調が悪くなってから」ではなく、元気なうちに作っておくのが一番です。

元気なうちに備えるのが一番の安心

遺言は「体調が悪くなってから」ではなく、元気なうちに作っておくのが一番です。

意思をはっきり残せるうちに準備しておくことが、ご家族への大きな安心につながります。

大阪・芦屋・西宮で不動産をお持ちの方にとって、遺言は「財産を守る手段」であり「家族への思いやり」でもあります。

司法書士法人entrustでは、不動産の評価や相続人の調整、登記や生前整理まで、不動産に強い専門チームがサポートします。

ぜひ元気なうちに、公正証書遺言という形で安心を残しましょう。

自筆証書遺言で迷う前に、専門家にご相談ください。


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カテゴリー:遺言,

公正証書遺言のメリット

公正証書遺言のメリット

2025.9.21

家族の安心を守る一番確実な方法

遺言にはどんな種類がある?

遺言には「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の2つの大きなタイプがあります。

最近は自筆証書遺言を法務局で預かってもらえる制度もできて、利用しやすくなりました。

でも、不動産をお持ちの方に本当におすすめなのは公正証書遺言です。

専門家が関わるので、形式も内容もきちんと整っていて、安心感がまったく違います。

公正証書遺言を選ぶ4つの理由

1. 無効になる心配がほとんどない
 自筆の遺言だと、日付を書き忘れたり印鑑を押し忘れたり、ほんの少しのミスで「無効」になることがあります。
 その点、公正証書遺言は公証人がしっかり確認して作るので、安心して任せられます。

2. すぐに使えて家族がラク
 自筆の遺言は、亡くなったあと家庭裁判所で「検認」という確認手続きが必要で、数週間〜数か月も待つことがあります。
 でも、公正証書遺言なら検認がいらないので、相続が始まったらすぐに手続きに使えるんです。
 残されたご家族の負担をぐっと減らすことができます。

3. 大切な遺言をなくす心配がない
 自宅に保管していると、うっかりなくしてしまったり、勝手に処分されてしまうリスクもあります。
 公正証書遺言は公証役場に原本が保管されるので、改ざんや紛失の心配がありません。

4. 専門家がサポートしてくれる
 司法書士や公証人が一緒に作るので、希望や想いをきちんと遺言に反映できます。
 不動産の持分や評価といった専門的なことも安心して任せられます。

なぜ不動産オーナーには特におすすめ?

不動産は相続トラブルの火種になりやすい財産です。

「実家を誰が相続するのか」「賃貸物件をどう分けるのか」など、どうしても意見がぶつかりがちです。

そこで公正証書遺言を残しておくと、亡くなった後の家族の混乱を最小限に抑えられるのです。

さらに、不動産は登記の手続きが必要です。公正証書遺言ならそのまま登記や売却にスムーズに使えるので、余計なトラブルを防げます。

公正証書遺言ができるまでの流れ

1. 相談・ヒアリング
 司法書士が財産の状況や想いを丁寧に伺います。
2. 内容を整理して草案を作成
 不動産の評価や分け方の希望を反映して、文案をまとめます。
3. 公証人との打合せ
 司法書士が一緒に立ち会い、細かい部分も調整します。
4. 公証役場で作成
 証人立会いのもと、正式に署名・押印して完成です。

だいたい2〜3回の打合せで完成することが多いので、思っているより気軽に始められます。

entrustなら安心のサポート体制

司法書士法人entrust では、ただ遺言を作るだけでなく、「不動産をどう残すか」「ご家族が安心して暮らせる未来をどうつくるか」を大切にしています。

・不動産鑑定士と連携して正しい評価をする
・土地家屋調査士と協力して境界や権利を整理する
・不動産会社や工務店と一緒に、将来の売却・活用を見据える
・税理士や弁護士、生前整理の専門業者と連携してトータルで支える

こうしたネットワークを活かし、家族に安心を残す総合的なサポートをしています。

迷ったら公正証書遺言を

遺言の方法はいろいろありますが、不動産をお持ちの方にとって一番安心なのは公正証書遺言です。

法的にしっかり効力があり、家族の負担も少なくできる仕組みだからです。

公正証書遺言を作ることは、「不動産を守り、家族に安心を残すための第一歩」。

大阪・芦屋・西宮で不動産をお持ちの方は、どうぞ司法書士法人entrust にご相談ください。
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カテゴリー:遺言,

遺言作成の第一歩

遺言作成の第一歩

2025.9.20

不動産を守るために今できること

なぜ今、遺言が必要なのか 

芦屋や西宮で不動産を所有している方からよくいただくご相談のひとつに、「自分が亡くなった後、この不動産はどうなるのか」という不安があります。

自宅や収益用物件は、家族の生活や資産形成に直結する大切な財産です。

しかし、遺言がないまま相続が発生すると、相続人全員の合意が必要となり、売却も貸出も自由にできないケースが少なくありません。

結果として、不動産の価値を十分に活かせず、空き家化したり、家族の生活に支障が出たりすることもあります。

遺言が不動産を守るカギになる

遺言とは、生前に「財産の引継ぎ方法」を明確にしておく法的な手段です。

特に不動産については、遺言の有無によって家族の負担が大きく変わります。

・遺言がある場合:相続登記がスムーズに行え、売却や活用も円滑にできる。
・遺言がない場合:遺産分割協議が必要になり、意見が分かれると処分が長期間できなくなる。

つまり、遺言は「家族に負担を残さない最善の準備」だと言えるのです。

公正証書遺言という安心の選択

遺言には大きく分けて「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」があります。

不動産を守るためには、公正証書遺言をおすすめします。

理由は以下の通りです。

・公証人が関与するため、形式不備で無効になるリスクが少ない
・家庭裁判所での検認が不要で、すぐに効力を発揮できる
・原本が公証役場に保管され、紛失や改ざんの心配がない

将来のトラブルを未然に防ぐためにも、不動産をお持ちの方には公正証書遺言が安心です。

遺言作成の流れ

「難しそう」「時間がかかりそう」と思われがちな遺言作成ですが、専門家のサポートがあればスムーズに進められます。

1. 財産と相続人の確認
 不動産の登記内容、預貯金・株式などの資産の内容の確認を行います。
2. 分け方の希望をヒアリング
 誰に何を継がせたいか、ご本人の想いを整理します。
3. 遺言の文案作成
 不動産・相続人の状況に合わせて司法書士が草案を作成。
4. 公証役場で作成
 公証人立会いのもと、正式な公正証書遺言に仕上げます。

通常は2〜3回の打合せで完成するケースが大半です。

司法書士法人entrustの強み

司法書士法人entrust では、単に遺言を作るだけではなく、依頼者の「不動産をどう残すか」に徹底的にこだわります。

【不動産に強い支援体制】
・不動産鑑定士や土地家屋調査士との連携による適正な不動産評価・境界整理
・不動産会社や工務店との協力による売却・活用の見通し提案
・遺品整理業者とのネットワークを活かした生前整理や空き家整理のサポート

【豊富な実績と経験】
これまで数多くの遺言作成や相続手続きに携わり、芦屋・西宮を中心に多くの依頼者から厚い信頼をいただいています。

「法律面」「不動産面」「生活面」までカバーできるのは、entrust ならではの強みです。

遺言は家族への一番の贈り物

遺言は「いつ亡くなるかわからないから備えるもの」であると同時に、「家族が困らないように想いを残すもの」でもあります。

特に不動産をお持ちの方こそ、将来のトラブルを防ぐために早めの準備が大切です。

司法書士法人entrust は、相続と認知症対策に強い専門家チームとして、依頼者とそのご家族の利益を最大化する支援を行っています。

まずはお気軽にご相談ください。
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カテゴリー:遺言,

夫婦で作る遺言書の注意点(2人同時に作るときの落とし穴)

夫婦で作る遺言書の注意点(2人同時に作るときの落とし穴)

2025.9.16

仲良く作っても遺言が無効に場合がある!?

「夫婦で仲良く遺言書を作りたい」というご相談を受けることは少なくありません。

例えば、「夫が亡くなったら妻へ、妻が亡くなったら夫へ、最後に残った財産は子どもへ」というように、夫婦そろって遺言内容を同じようにしたいと考えるケースです。

しかし、日本の法律では「共同遺言(夫婦が一通の遺言書に署名押印すること)」は無効とされています。

仲良く2人で作ったつもりが、法律上は効力を持たず、相続をめぐるトラブルを招いてしまうこともあるのです。

本記事では、夫婦で遺言書を作成する際に注意すべきポイントや、落とし穴を回避する方法を解説します。

夫婦で遺言書を作るときの基本ルール

まず知っていただきたいのは、遺言はあくまで個人の意思表示であるという点です。

民法第975条では「共同遺言の禁止」が定められており、夫婦が一緒に1通の遺言書を作ることはできません。

❌ よくある誤解
・「夫婦で連名にすれば安心」
・「夫婦で一緒に署名すれば有効になる」
・「夫婦で同じ内容なら一通にまとめてもいい」
これらはすべて無効となってしまいます。

✅ 正しい作り方
・夫は夫の遺言書を作成
・妻は妻の遺言書を作成
・内容が似ていても、それぞれ独立した書面とする
これが法律に沿った正しい方法です。

夫婦で作る遺言書のメリットとリスク

メリット
・お互いに残された方を守ることができる
・子どもへの財産承継を明確にできる
・「仲が良い夫婦」の意思を形に残せる

リスク(落とし穴)
・共同遺言にしてしまい、無効となる
・一方が内容を変えたいときに修正ができないと誤解している
・公正証書遺言にしないと、発見されず放置される可能性がある

特に「一緒に作ったから、勝手に書き換えられないだろう」と思い込んでしまうのは危険です。

遺言はあくまで本人の自由意思でいつでも変更可能であり、夫婦間で拘束力を持つものではありません。

実際にあったトラブル事例

事例1:夫婦連名の自筆証書遺言が無効に

「夫婦連名で『自宅は子どもに相続させる』と書いた遺言書」を残していたご家庭がありました。

しかし、法律上は共同遺言とみなされ、遺言自体が無効となりました。

結果的に相続人全員で遺産分割協議をやり直すことになり、兄弟間で大きなトラブルに発展しました。

事例2:一方が先に亡くなり、遺言の意味が薄れる

夫婦で同じ内容の遺言を作ったものの、夫が先に亡くなり妻が財産をすべて相続。

その後、妻が別の内容で遺言を作り直したため、最初の合意が反映されず「父母の遺志を無視した」と子どもが不満を抱くケースもありました。

司法書士が勧める安全な方法

1.それぞれが別々に作る
・自筆証書遺言でも、公正証書遺言でも、必ず夫婦で1人ずつ作成。

2.公正証書遺言にする
・公証人が内容をチェックし、形式不備による無効を防げる。
・原本が公証役場に保管されるため、紛失や隠匿のリスクがない。

3.遺言執行者を指定する
・実際に相続手続きを進める人(司法書士や信頼できる人)を指定しておくことで、相続人同士のトラブルを最小限にできる。

費用の目安
・自筆証書遺言:基本的に費用ゼロ(ただし家庭裁判所での検認が必要)
・公正証書遺言:10万円〜20万円(財産額に応じて手数料が変動)

司法書士にご依頼いただく場合は、内容のチェックや文案作成、必要書類の準備まで一貫してサポートできますので、形式不備やトラブルの心配がありません。

夫婦で遺言書を作成することはとても有意義ですが、共同遺言は無効になるという大きな落とし穴があります。

正しくは、それぞれが独立した遺言書を作成し、公正証書遺言にしておくのが安心です。

司法書士法人entrust(エントラスト)では、芦屋と大阪にオフィスを構え、遺言作成等の相続対策や、家族信託等の認知症対策に力を入れております。

「夫婦で安心して老後を迎えたい」「子どもに円満に財産を承継させたい」「相続対策だけでなく、認知症対策もしたい」とお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。

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